Lesson5-4 キッチン

まず何よりも衛生面に気を付ける

キッチンの収納で気を付けるべきは衛生面です。直接口にするものはもとより、食事を入れるための道具にも雑菌が付かないように、収納道具をきちんと工夫してあげる必要があります。

たとえば、少し前にジャーサラダというものが流行したことがありました。透明な瓶に野菜を詰めるだけでサラダが完成、持ち運んでいつでもどこでも野菜の取れる生活を……というアイデアは一見魅力的です。しかしサラダは非常に腐りやすいもので、しかも瓶の中は雑菌が繁殖しやすい条件が揃っていたため、食中毒に注意するように積極的に呼びかけがなされていました。

ジャーサラダ自体は例外的なものですが、このように雑菌の繁殖条件などをきちんと考慮に入れなければ、適切に収納しているはずが却って食中毒の危険を増してしまう可能性があります。ですので、

  • 使った後のまな板はきちんと立てかけられるようスペースを確保する
  • 食品をガラス容器やタッパーに詰め替える時は、乾燥材を入れるなどの工夫をする
  • 常温保存の野菜は風通しや見通しの良い場所に置いておく

特にジャガイモなどは常温保存で芽が出てしまう可能性もあるため、なるべく見渡せるような場所に置いておくと良いでしょう。

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見通しを良くする

調味料や食べ物を保存するときは、なるべく透明な瓶やタッパーを使うのがコツです。透明であれば遠目にも残量が分かるため、使い切った瞬間に補充できますし、中身が腐り始めていても外から見るだけで分かるからです。見通しを良くすれば補充のための買い物のタイミングも間違えないようになりますし、まさしく一石二鳥と言えます。

キッチンの下の収納棚に醤油の瓶やサラダ油などを収めるときは、きちんと背の高さ順に並べるのがポイントです。手前になるべく小さなものを、そして奥に大きなものを置くことで、どこになにがあるか一目で分かるようにしましょう。こうすることで奥のものが取り出しやすくなるのもメリットと言えます。

調味料、スパイスなどはものによってそれぞれ別の容器に入れるのではなく、全て同じ種類で揃えてしまうのがコツです。チェーンの牛丼屋さんのように、醤油や酢を同じ形のボトルに入れてかごに入れておくと、食事時にかごを食卓に持って行くだけで全ての調味料が揃いますし、掃除をする時もかごを持ち上げるだけでさっとひと拭きしてしまえばよくなりますね。スパイス類は小瓶にそのスパイスの名前と賞味期限を書いたシール等を貼っておけば、片付けの度に「ここにこんなスパイスがあったんだ」と意識できるようになります。

調理器具は重ねることを意識する

調理器具は重ねて収納することを意識しましょう。ロシアのマトリョーショカ人形のように大きなボウルに小さなボウルを重ねていく、というやり方で調理器具のスペースを節約します。もちろん多彩な調理器具を使う飲食店などでは、ボウルのみならずざるや小鍋なども一つにまとめてスペースを節約することも多いのです。ただし、重い鍋やフライパンなどは、怪我のもとになってしまいますから決して頭の高さより上には置かないようにしましょう。

使用頻度の高い菜箸やおたま、トングなどは、壁面収納を利用するのがコツです。ここでもやはりフック類が重要になってくるわけですが、コンロの傍の壁にひっかけておけると、いざ調理するときに大変取り出しやすくなります。水気を落とさなければならない新芽取りやヘラなども、洗ってフックに吊り下げておくとよいでしょう。

調理器具の選択

これはちょっとしたコツなのですが、収納を前提に考えて調理器具を選ぶという逆転の発想が生きることもあります。たとえば、最近では柄の外せるフライパンが有名ですね。外せばそのまま食器にもなりますし、収納するときも鍋の部分と柄を別々の場所においておけるので非常に便利です。

このように、片付けや収納術から買い物内容を選ぶと、日常生活をさらに楽にすることができます。