Lesson5-1 収納術のイロハ

収納のためのテクニック

収納にはさまざまな考え方があり、片付けの達人とも言える方々が星の数ほどのテクニックを披露しています。本音を言えばその全てをご紹介したいところなのですが、その全てを理解し飲み込むのはまず不可能なことです。

そこで、ここでは廊下や洗面所などの場所別に、最後に衣類や書籍、手紙といったジャンルに絞って収納や片付けのポイントを紹介していきます。基本さえ学べば後は応用力を身に着けるだけで様々なテクニックが使えるようになりますが、逆に基礎を疎かにして細々とした事例だけ学んでも片付け術・収納術を理解したことにはなりません。

Lesson5では、衣類や本など、様々なものを整理するためのコツと、メジャーな実践的テクニックをご紹介いたします。まずは収納術を学ぶべきジャンルについて詳しく見ていきましょう。

押し入れ

押し入れは様々なものを保管できる広いスペースであり、ここをきちんと片付けられるかどうかで部屋に置いておけるものの量が異なってきます。片付け全体の手間を考えて一番最初にすっきりさせるべきは、この押し入れです

基本的には布団や衣装ケース、こたつやストーブのような季節ものを保管すべき場所と捉え、それ以外のものはなるべく置かないようにしたいところです。スペースが空いているからといって、うっかりハンガーラックなどを中に入れてしまっては取り出すのも大変ですし、掃除も難しくなります。

ものがたくさんあるとつい押し入れにしまおうとしてしまいがちですが、それは汚い部屋と化す初めの一歩です。予め余計なものをきちんと整理しておけば、押し入れの片付けに挑むときも大変気が楽になります。

クローゼット

クローゼットを上手に片付けられるようになると、衣類の整理がとても楽になります。

コツはデッドスペースを作らないこと、そしてクローゼットに収めた衣類をなるべく取り出しやすい状態を整えることです。たとえばクローゼットの上には小物を置ける「まくら棚」が設置されていることも多いのですが、そこに何の工夫もせずものを置いてしまうと、何が置いてあるのか分からなくなったり、取り出すのが面倒になったりします。

そのような状況が発生しないように、片付けを工夫していきましょう。

キッチン

食器棚や調味料、冷蔵庫の中身の片付けなど多岐に渡ります。単純にものを収納するだけなら「何がどこに置いてあるか」が一瞥するだけで分かるようにすればよいのですが、他の場所とは異なる特徴として、賞味期限という壁が存在します。

食べ物を腐らせないためには期限内に消化しなければならないのですが、いつの間にか賞味期限が切れて食べられなくなっていた、というのもありがちなことですね。長持ちする調味料や保存食でそうなると、せっかく保存したのにと残念な気持ちになってしまいます。しかし、それさえも収納法次第では防げてしまうことがあるのです。

調理場の収納に関しては衛生面に気を付けなければならないことにも注意が必要でしょう。まさかまな板を洗った後に調理器具用のスペースに放り込む人はいないと思いますが、片付ける際に衛生面に気を使わないと食あたりなどの原因となります。

洗面所

ここも注意深く片付けを工夫する必要のある場所です。調理場と同じように衛生面に気を使わなければならず、特に水で汚れがちな手洗い場はなるべくものを置かないように広くスペースを確保する必要があります。

そうなると、歯磨き粉やドライヤーは必然的に狭い場所に押し込められることになりますので、小さなスペースを十全に活用する収納術が必要になってきます。洗面台の下の広いスペースなどもデッドスペースになりがちです。

廊下

廊下にものを置くのは危険な兆候です。人が行き来する場所はなるべく広くスペースを確保し、ものを置かないようにして事故を防ぐのが鉄則だからです。

とはいえ廊下を丸ごと余らせておくのももったいないですし、壁を利用した上手い収納法があるなら実践するに越したことはありません。また、災害時緊急時に対応するためのグッズを置くなど、非日常に備えるには悪くないスペースです。

玄関

玄関はお客さんの対応をする最初の場所なので、あなたの家のイメージを印象付けるのに打ってつけです。一方で、傘やショッピングバッグ、靴などを上手くまとめておかなければ、散らかったままになりがちな場所になります。

外出するにしても帰宅するにしても、玄関は必ず通る場所です。靴を脱いでスリッパに履き替える、傘を立てるなど様々な動作をやりやすいように、システマティックに玄関を構成する必要があるでしょう。

ジャンル別収納術

衣類

持ち物の中でも捨てる・捨てないの基準を定めやすいのが衣類です。似合わないと思ったもの、サイズが合わなくなったもの、ひとシーズン通して着なかったものなどは捨ててしまっても構わないのです。女性の方は特に衣類を大切にしがちですので、いざ捨てるとなるとなかなか気持ちを固められないことも多いのですが、捨てる基準を作るのだけは非常に簡単なジャンルです。

しかし収納になると話は別です。衣装ケースに収める、ハンガーにかけるなど様々な収納法がありますが、コツを知っているかどうかで必要なスペースが大きく異なるものでもあります。

書籍、書類等

序盤のLessonで何度か語ったように、今では書籍を再入手する手段はたくさんあります。よほど貴重な本でもない限り、読書体験にお金を払ったと考えて読後すぐに捨ててしまうのが、片付けにおいては重要です。CDについても同じことが言えるでしょう。お金がもったいないと思っても、保管するための場所代が費用としてのしかかってくることを考えて、きちんと捨てるなり売るなりして対処する必要があります。

書類については重要度によって整理法を考える必要があります。領収書など、保管しておかなければならないものはちゃんとひとまとめにしなければなりません。しかし調味料や衣類などと違って閲覧性はさほど重要視しなくても良いので、たとえば封筒の中にまとめて入れてしまっても構わないわけです。

重要度によって保管スタイルを変えることを意識するとよいでしょう。

では、次のLessonからは、これらの収納術に関する代表的なテクニックを見ていきましょう。