Lesson4では片付けの計画を立てるところから実際に1部屋片付けてみるまでの流れを解説しました。プロ向けの手順としては慎重なプランでしたが、最初は充分な時間をかけて一部屋片付けるのをおすすめします。
たとえ1つの部屋であっても、徹底して片付けるという流れの中に「整理→収納→片付け」という基本が含まれています。片付けの手順を覚え込むためにじっくり時間をかければ、もっと規模の大きい複数部屋の片付け、そして家中の片付けに向けて経験値を積むことが出来ます。最初に基礎を押さえるのはより難易度の高い片付け術をマスターするために重要なことと言えるでしょう。
では、その流れをもう一度おさらいします。
STEP1 部屋の理想図を決める
自分の理想とする部屋をインテリア雑誌や友人の部屋を参考にしながらイメージします。綺麗な部屋、そしてその中で暮らす自分を想像出来るようになったり、人に片付け計画を話せるようになればOKです。次のSTEPへ向かいましょう。
STEP2 片付けのために連休を確保する
最初の片付けには連休を確保しましょう。前半は「必要なものと不要なものを分ける」ための整理術に使います。後半は収納方法を決めて実際に片付けを行い、またその方法を手順化するために使いましょう。そうすれば十分な時間の余裕をもって片付けに取り組めます。もちろん、短時間であらゆるものを済ませてしまえる片付けのプロであれば、この工程は半日ずつにまとめてしまっても構いません。
もし持ち物に全く執着がなく、機械的にパパッと片付けを済ませてしまえる方であれば、休日の午後を丸ごと使うだけでも大丈夫でしょう。片付けは手際が良くなればどんどん時間を短縮してしまえるものです。もっとも、そのような方は片付け術など考えなくとも、息を吸うように自然と部屋を綺麗に出来る方なのかもしれませんが。
STEP3 ゴミを出す日を確認しよう
ゴミの分別に自信のある方は、このSTEPを飛ばしてしまっても構いません。
ただ、もしご自分のお住いの自治体でどのようなゴミの出し方が推奨されているか分からないようでしたら、片付け当日になるまでにきっちりと把握しておきましょう。ごみの種類を予め分別できるようになっておくだけでも大きな違いが出ます。
たった1つのゴミを捨てるのに「これは可燃・不燃……」と10秒近く悩むとします。捨てるゴミが10個であれば、悩む時間はたったの1分40秒。しかし部屋の8割のものを捨てるとなると、合計で1時間以上ロスしてしまうことになりかねません。物を捨てるにはただでさえ迷いがあります。「これは捨てる」と決めたつもりでも「可燃、不燃……」と悩んでいる間に心変わりしてしまう可能性だってないとは言い切れませんし、無駄な時間は極力カットする方針で行くと良いでしょう。
STEP4 所有物を必要なものと不要なものに分ける
STEP3を経てSTEP4、所有物を要不要で分ける段階です。ひょっとしたら使うかも、と思って保管していたものと向き合い、これは必要、これは不要と仕分けていく作業になります。ものの整理は片付け術の根幹をなすものであり、これが出来る人と出来ない人では部屋の美しさに大きな違いが出ます。
ものを捨てる判断に困った時は、パレートの法則などを適用しましょう。部屋の中にあるもののおよそ8割は捨てても問題ない、という意識を持つことで「これは残しておきたい」のラインをよりシビアに設定していきます。
最初から8割を意識することで徹底した掃除をするか、それとも「ものを捨てる」ことに慣れるためにまずは7割を目指すか、その基準の設け方は人それぞれですが、少なくとも現在持っているものの半分以上は確実に捨てるという強い決意を持ちましょう。
STEP5 収納の基礎的な決まり事を押さえる
STEP4を終えたら、残すべきものをどうやって収納するかを考える段階に入ります。「整理」から「収納」への移行です。細かい収納術の詳細はLesson5で解説しますが、一つ一つのテクニックと向き合う前に収納術の基礎を押さえておかなければなりません。
数こそ多いものの、収納術自体はさほど難しいものではありません。「空間を四角に区切る」などの基本さえ押さえておけば比較的楽に物を収めていくことが出来るでしょう。
STEP6 簡単な「手順化」を利用する
収納場所を決めたら片付ける。「整理」→「収納」→「片付け」の流れにおける終着点ですね。これも実はそう難しいことではなく、「整理」で不要なものを捨て「収納」で片付ける場所を選びさえすれば、片付けだってほぼ終わったようなものです。納めるべき場所さえ理解していれば、後はそこに並べたり置いていったりするだけですからね。
これはある意味ではおまけとも言えるSTEPです。しかし、片付けは毎日、あるいは週に何度も行うものですから、その習慣を実践する手間を少しでも省く努力は怠るべきではないでしょう。片付けを終えた最高の状態を撮影し、常に原状を維持できるようにしておけば、迷うことなく短時間で日々の片付けを済ませられるようになります。
そうして1つの部屋を片付けるのに成功したら、もうあなたは片付けのプロに半ば届いたようなものです。ここから先は、理論ではなく様々なテクニックを習得していきましょう。