Lesson4-6 片付けを手順化する

前回のLessonで収納を決めて、あとは片付けだけという段階に入ったかと思います。

お部屋の片付けが一回きりなら、2日目が終わった時点でほぼ完了と言ってもよいでしょう。ですが、部屋の片付けとは「あるべきものをあるべき場所に戻す」という行為ですので、毎日、少なくとも週に2~3回は行う必要があります。

そこで、2日目の片付けを終わらせる際に、その手順をしっかりと記録しておくという一工夫を挟むことで、日々の片付けの手間を省くことができます。

STEP6 簡単な「手順化」を利用する

Lesson3で解説した「アルゴリズム」の話を思い出して下さい。

パソコンに詳しい方ならご存知かもしれませんが、コンピュータは複数の命令をひとまとめにして一括で実行することができます。

たとえば、ブラウザを立ち上げてインターネットをする、メールソフトを立ち上げて新着メールがないかどうかチェックする、音楽プレイヤーを起動してお気に入りの曲を流す……という一連の手順があるとします。

実際にはソフトを一つ立ち上げる際に、パソコンの内部では非常に煩雑で複雑な処理が走っているのですが、わたしたちの目にはそんなものは映りません。ただ、結果としてブラウザやメールソフトが立ち上がるのを見るだけです。もしソフトを起動するためのあらゆる処理をいちいちコマンドを打ち込んで再現していては途方もない労力が必要になりますが、アイコンをダブルクリックするだけなら極めて単純な作業と言えます。

人間も同じことです。「部屋中に散らばった本を本棚に片付ける」「乾いた食器を食器棚に戻す」「衣類を畳んで収納する」といった片付けは、一つ一つの手順を考えながらやっていたのではとても煩雑なものになります。しかし片付けの一連の流れを「手順化」し身体に染み込ませてしまえば、わたしたちは機械的に片付けができるようになります。

キッチンの掃除を例に解説しましょう。片付けとして、たとえば以下のことを毎回やるとします。

  • 乾いた食器を食器棚に戻す
  • コンロの周りや調理台を拭く
  • 調味料の量をチェックしを元の棚に収める
  • ティーバッグやお茶の葉を片付ける
  • 生ごみをまとめて捨てる

毎日これだけのことが出来ればいいのですが、「食器は元に戻したが生ごみを捨てるのを忘れていた」という具合に特定の過程だけがすっぽ抜けてしまいがちです。忘れてしまった「片付け」は、翌日の「片付け」でも忘れてしまうかもしれませんし、他の手順を抜かしてしまうこともあります。

そうならないための工夫が「手順化」です。具体的な方法としては、上記の一連の動作をどの順番でやるか決めてしまうだけでOKなんです。「1、乾いた食器を食器棚に戻す」「2、コンロの周りや調理台を拭く」「3、調味料の量をチェックしを元の棚に収める」「4、ティーバッグやお茶の葉を片付ける」「5、生ごみをまとめて捨てる」と順番を振って、後は順番通りにやるだけです。

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この順番を確実に覚えておくには手順をメモしておくのも良いのですが、もっとお手軽な方法もあります。それは片付け終わった状態の写真を片付けの順番に合わせて撮影すること。タブレットPCやスマートフォンを使って最良の状態を撮影し、後は毎日の片付けのときにそれを参照しながら元の状態に戻していくだけなんです。

本やCDの順番、衣装ケースに入れる衣類の場所なども画面を見るだけで思い出せますし、片付け2日目の完璧な状態を手本にするわけですから、物が増えてきたりちょっと配置が変わったりしてもすぐに理想の状態に戻せます。

片付けを完了する際は、完了した状態を撮影すること。その一工夫があるかどうかで、その後の片付けの手間も大幅に変わってくるのですね。