STEP4 所有物を必要なものと不要なものに分ける
片付けの日、連休初日がやってきました。
初日にやるべきことは1つだけです。それは整理術を実践すること、すなわち「所有物を必要なものと不要なものに分け、不要なものをまとめて捨てる」です。
簡単なように見えるかもしれませんが、これまで何度も申し上げてきた通り、ものを捨てるのは非常に難しいことです。「これは後で必要になるかもしれない」「あの人からもらったものだし……」といった様々な執着や懸念が決意を鈍らせてしまいます。
この迷いを打破するための考え方は、Lesson1~Lesson3までに何度か書き並べてきました。今一度おさらいしてみましょう。
- ものを捨てることで保管コストを削減し、金銭的な余裕が生まれる
- 手の届かない場所に置けば、生活習慣そのものを変えるきっかけとなる
- 余計なものを捨てることで余分な買い物をしないシビアさが身につく
- 再入手のコストと引き換えに家賃に見合ったスペースを獲得できる
- ものを捨てることでものに対する執着も一緒に捨てて心が身軽になる
ものを捨てるにはこのような様々なメリットがあり、手元に置いておくのをやめるだけで一気に気を楽にできます。もちろん頭では理解している方も多いでしょう。「それでも捨てられない」からこそ、片付け術を学びたいとお考えになるわけですから。
でも、ここで迷ってしまったら何も上手くいきません。そこで背中を押すために様々な法則や経験則、思想的な裏付けを借りて来るわけです。中でも簡単なのは、パレートの法則を利用することです。別名80:20の法則、世の中の大事なものは2割しかないという法則を元に、次のように「物を捨てる」方針を決めてしまいます。
- 所持品の8割を捨てる
- 部屋の面積を8割確保する
この原則にしたがい、捨てるべきものが8割ちょうどになるよう調整していきましょう。「この段ボールに入ってるCDを丸ごと捨てると5%くらい片付く!」「押し入れの衣類を捨てると更に8割に近付く!」と自分を鼓舞していくと、だんだん楽しくなってきてものを捨てるのに躊躇いがなくなっていきます。

必要なものと不要なものを分ける時は、部屋を2つに分割して「必要」側と「不要」側に分けてしまうのが手っ取り早いでしょう。必要なものの山と不要なものの山を視覚的に捉えて、8:2になるようにしてしまえばよいわけですからね。もちろん、ごみの分別に自信があり、STEP3のようなことを毎日していらっしゃるのであれば、不要なものはその時点でゴミ袋の中に放り込んでしまっても構いません。
捨てる前の確認を怠らず
でもその前に、一つだけ注意点を挙げておきましょう。
このSTEP4を実践するためには、事前にSTEP1を済ませて「片付いた部屋のイメージ」を作っておかなければなりません。その理由は決して分かりにくいものではないはずです。要不要を分けるにしても、自分が住む部屋の漠然としたイメージがなければ、本当に捨てていいかどうかの判断を間違えてしまうからです。
慣れてしまえば部屋の中のもののほとんどは「これはもういらない」と深く考えずに捨ててしまって大丈夫なのですけれど、慣れる前にインテリア等を考え無しに捨ててしまうと、後で大金を払って再入手しなければならない可能性があります。
必要なもの、不必要なもの……と分別していく際に意識すべきことは、「迷いを捨てる」ことです。「これは必要かな、不要かな……」と迷う時間を極力減らし、なるべく考えずに不用品として処理してしまわなければ時間がいくらあっても足りません。
ですが、迷いを捨てるまでは良くても、判断を間違えてはいけません。そして判断を間違えないためには、「片付いた部屋」の想像をたくましくして、捨ててはいけないものを決めておく必要があります。そのためのSTEP1なのです。
STEP4には一日かけても構わない気持ちで臨みましょう。大事なものを捨てるのは大変ですし、どうしても迷いを振り切れない可能性だってあります。それでも丸一日かければ何とか決意が出来るものです。
そうして夕方には必要なものと不要なものの山が出来ているはずです。STEP3を経ている方は、そのゴミをまとめて分別し、瓶のラベルを剥すなどして「いつでもごみとして出せる」状態にしましょう。そうして種類別に袋を分け、曜日を書いた紙を貼り付けて、玄関前に出しておきます。もし差し支えないようでしたら、ゴミ出しの前日の夜にアラームが鳴るように、スマートフォンなどを利用するのもよいでしょう。