STEP2 片付けのために連休を確保する
片付け初心者が一度に部屋を片付けようとしても、そう上手くいくものではありません。大きい家でしたら大掃除に3日ほどかける必要がありますし、手間がかからないように思えても予定していた時間内に終わらないなんてことはままあります。
自分の作業にどのくらいの時間がかかるか、これを見積もれるレベルになるためには豊富な片付けの経験が必要です。
もしあなたが片付けのプロでしたら、「家全体の片付け」「部屋の片付け」にかかる時間はすぐに試算できるでしょう。片付け術のプロによれば「家全体の片付け」には3日ほどかけるべきとのことですが、その場合も「水場や風呂場」「押し入れやクローゼット」など、家全体を三分割して一日ずつ一つの場所を片付けていきます。
片付け初心者がプロの真似をするのは大変危険です。一年中お休みが続く方、仕事の休日を自由に割り振れる方なら問題ありませんが、片付けの途中で平日に突入してしまうと「片付けている途中の部屋」で一週間を過ごすことになりかねません。そのような部屋は全く整理されていないわけですし、日々の生活にも支障がでます。
したがって、もっと時間をかけてやり切れるよう、余裕をもって計画を立てる必要があります。3日で家を片付けるのはプロの仕事ですので(最終的にそこまで辿り着くのがこの講座の目的なのですが)、手始めに「片付けのために連休を確保する」ところから始めましょう。
休みの日が2日続けば、片付け入門者でも自分の部屋くらいは落ち着いて片付けることができるものです。たとえば最初の日を「必要なもの・不要なもの」の分別に使い、次の日を「収納・片付け」に割り振れば、途中で発掘したマンガを読むのに夢中になったりしない限りほとんどの方が完遂可能です。
「自分の部屋だけ」ではいかにも成果がないように思えますが、狭い場所からコツコツと経験値を積むのはとても大切なことです。他の場所での片付けにも応用できる発想力を磨き、手際をよりよくしながら先へ進めますから、片付け入門者がタイトなスケジュールでことを進める必要などありません。プロの1/6くらいのペースで十分です。
まずは連休を確保し、次にその2日間で自分の部屋を徹底的に片付けると決めましょう。もし用事があるようでしたら、事前に済ませられることを全て先に終わらせて、片付けの日は片付けのみに注力すべきです。どうしても片付けの日と用事がぶつかってしまった場合は、起きてすぐに用事を済ませてから片付けにとりかかると良いでしょう。
リバウンドに注意!
ただしここで気を付けていただきたいのですが、実は片付けもダイエットと同じようにリバウンドが起こり得るものなのです。頑張ってダイエットして少し痩せることに成功したのに、つい余計な食事に手を出したり運動をやめてしまったりして再び肉がついてしまう。経験のある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

部屋の片付けも、少し綺麗に出来たと思ったら一週間後にはまた見るも無残なぐちゃぐちゃの状態に戻っていることがあります。それだけではありません。ダイエットと同じように、片付ける前より更に悪い状態になっていることも度々あるのです。
なぜでしょうか。
片付けでリバウンドが発生してしまう理由については諸説あり、これが原因!と特定できるものではありません。しかしながら、リバウンドで部屋が汚くなってしまった方の特徴を並べてみるとある程度の傾向が見えてくるのです。
- 片付け前後で部屋の内容物が減っていない
- 綺麗になったと思って新しいものを買ってしまう
- 中途半端な片付けで、戻すべき場所が分からなくなった
- 他の汚い部屋に引きずられて「平均的な散らかり方」に戻った
本人としては片付けたつもりでも、整理段階で不要な物を捨てきれていないと、部屋の中のものを別の場所に移しただけという結果に終わってしまうことが多々あります。これは「片付けた気」になっている方が陥りがちな現象です。
綺麗に見えても所有物の総量は何一つ変わっていませんし、片付けによって収納場所が潰れてしまっている可能性があります。その状態で新しいものを買うと、収納場所を作っていないためどこにも置き場がなく、また部屋の中の適当な場所に置いて散らかしてしまうわけですね。
収納場所を決めずに中途半端に片付けてしまった場合は更に大変なことになります。普段使っているものの置き場所が分からなくなり、本来収納すべきでないところに余計なものを置いてしまう。そうなってしまうと、ちょっと物が増えるだけで「綺麗な部屋なのに〇〇をどこに置いたのかわからなくなった」という現象が発生してしまい、せっかく片付けによって生じた「時間の余裕」が失われてしまう可能性があります。
一部屋だけ片付ける場合は、他の部屋の片づけ具合に影響されてしまうことも考慮しなければなりません。ご自分の部屋が綺麗になったとしても、物置やリビング、台所が汚いままだと、「綺麗な部屋の基準」が下がってしまいます。一度基準が下がってしまうと散らかすことへの心理的抵抗が失われてしまいますので、軽い気持ちで部屋の中に新しいものを置いてしまったりしてしまいます。
こうなることを防ぐためには、綺麗にした部屋とそうでない部屋を明確に区別しておかなければなりません。綺麗な部屋はその状態を維持する、汚い部屋は次に片付けの時間を取るまでなるべく綺麗な状態を保っておく。そうするためには、部屋の前に札を掛けてしまうのが良いでしょう。
- 清掃完了
- ただいま清掃中
まるで公共施設のトイレのようですが、意外と効果があります。「清掃完了」の部屋には新しくものを持ち込まない、ということを徹底するだけでもリバウンドを抑止する効果がありますからね。